JMFとは?

ジョブメッセージングフォーマット(JMF)の役割

ここまでは、JDFのMISやワークフローシステム、製造現場デバイスについて述べました。MISやワークフローシステムはJDFエージェントの役割を務め、コントローラと連絡を取り、命令を出します。コントローラはJDFでは重要な概念です。一つの製造現場デバイスに一つのコントローラが組み込まれ、単独フィジカルデバイスとして実際に複数のデバイスを制御します。すでに述べたように「各部門用」コントローラが市場への参入を果たしています。これらのコントローラは、一つの部門(ポストプレスなど)において全デバイスを制御します。

JDFエージェントとコントローラ間で使用する言語がジョブメッセージングフォーマット(JMF)です。JMFはJDF仕様に属しています。JMFはXML内で構築されJDFスキーマに属します。JMFを使用することにより、コントローラは事象(スタート、ストップ、エラー)、状態(アベイラブル、オフライン、ストール)、結果(カウント、ウェイスト) および現在のオペレータ詳細情報などJDFのMISやワークフローシステム情報と通信できます。

コントローラはJDFのMISやワークフローシステムを「登録」し、有効であることを知らせます。一つのコントローラが複数のデバイスを制御する場合、コントローラはサポートしているデバイスに登録情報を提供します。ただし、この情報はメーカや型式などの情報であり、前述のデバイス性能の代用にはなりません。

MISやワークフローシステムは、JMFを使用して作業現場デバイスに命令を出し、キュー内の順序変更を可能にします。「可能」という語句を多用していることにお気づきでしょうか。JMFセッションでは、JMFオプションの詳細やコントローラがJMFに提供可能なサポートレベルが明らかになります。JMFメッセージは、単方向(MISが命令を出してもコントローラは応答しない)または双方向です。工程自動化戦略に必要なJMFを選択することが、効率的なJDF装置の購入計画を立てるためにも重要です。

JMFは、一つのコントローラから別のコントローラへ命令を出すことも可能です。前述したような工程とパイプライン方式の融合をサポートするのに重要な機能です。